柴崎選手の不調に見る、”言葉の壁”より越えるのが難しい”スペイン文化の壁”

柴崎選手の不調に見る、”言葉の壁”より越えるのが難しい”スペイン文化の壁”

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昨年のトヨタカップでレアルマドリードに破れてしまったものの対して2ゴールを決め
先日テネリフェの2部に鳴り物入りで移籍した元鹿島アントラーズの柴崎選手。

カナリア諸島テネリフェは一年中気温が25度から30度で気候もよく、また南米からの移民が多いのでスペイン本土よりもゆったりとした空気が流れており”いいなー”とのんきにニュースを目を通していたのですが

移籍してから約2週間ほどで”不安障害”になられてしまったようで・・。

以下のような記事を見かけました。

柴崎岳が直面する疎外感。スペイン生活、適応する難しさとは?
http://bylines.news.yahoo.co.jp/komiyayoshiyuki/20170214-00067687/

Jリーグの第一線で活躍している選手。海外滞在経験があるなしにかかわらずメンタルは普通の人の何倍も強いと思います。
スペイン語ができるのかどうか・・・はよく存じ上げませんが、”言葉のできるできない”はそれほど重要ではなさそうです。(ブラジル人のトップレベルの選手でも適応できなかった例が記事中にも書かれているので、”言葉ができるできない”は実際あまり、海外生活に適応することにおいては重要ではないのかもしれません)

柴崎選手のようなトップアスリートと自分自身の経験を比較するのも恐れ多いのですが、
なんとなくスペインの留学当初と、スペイン企業への就職当初のことを思い出してしまいました。

私自身はスペインの大学で修士のコースに参加したときはすでにスペイン語はある程度話すことができ、
大学側からも授業に支障のないレベルとの判断もらっていました。
にもかかわらず、授業で全く発言ができない。
”意見がない”というのではなく、発言しようと思うのだけれど緊張して言葉がでてこない、
そうすると周りもその空気をよむのか、私の発言のときだけそれまで騒がしかったクラスメートがしんと静まり返るのです。
その反応にまた緊張しての悪循環で、授業にでることそのものが苦痛になった時期もありました。
私自身はその状況は乗り越えられそうになかったので、2年目からは授業の半分以上を英語に切り替え
なんとか卒業することができました。

スペイン企業に就職した当初もスペインの当たり前の習慣である”長時間の休憩”や”仕事中の雑談”
はきがひけたので、残って仕事をしたり、雑談に加わらなかったりして同僚に”Antisocial(付き合いが悪い)”
呼ばわりされたこともあります。
(正直なことをいえば、スペイン語での雑談は当時の私にとっては”休憩”にはなりえず、
逆につかれてしまうだけだったので参加しなかったのです。)
仕事の人間関係と仕事外の人間関係ははっきりわけるほうなので、
その意味では同僚になんといわれようと”こっちの勝手気にしない”とその場は流しましたが…
私はある意味”スペインの組織になじむ努力を放棄した”のだと思います。
(また、記事の中に書かれているように”妬む”というか人の足を引っ張ろうとする人はスペインにも結構います・・。
国関係なくどこにでもいるかとは思いますが^^;
スペインの場合は”いかに自分が最小限に働いて昇進、昇給できるか”と考える人は少なくないです。
あと、やっぱりどうしても”言葉に自信がない”外国人は、”足をひっぱるターゲット”になりやすいのかなと思ったりします。これはあくまで個人的な経験をもとにした意見ではありますが)

私自身ははっきりいって繊細とは真逆ですし、真面目とは程遠いので、
組織の都合よりも自分の都合を大切にします。(多くの場合”逃げるは恥だか役に立つ”^^;)
ただそれでも、留学当初はストレスとハードな授業のスケジュールでスペインにいるにも関わらず体重がごそっと落ちましたし
就職直後にはしばらく収まっていたぜんそくが再発して咳が止まらず、
オフィスのデスクに常に病院から処方されたせきどめを欠かさず常備していました。

今回柴崎選手の移籍に当たって、周囲も当然のことながらいろいろな状況を想定の上決定されたことだと思います。
でもおそらく、それ以上に”スペイン文化の壁”は厚かった・・・のかもしれません。
そして到着2週間にして病んでしまったのはトップアスリート特有のストイックさと真面目さゆえかと思います。

でもまだまだ彼のスペインでのキャリアは始まったばかりです。長期的なビジョンを持ってぜひ結果を残していただきたいと、
(でもだめだったら全然日本に帰って大活躍もあり・・です。人間向き不向きはありますし。無理は禁物です)
厚かましくも、10年以上暮らしても未だに目の前に高ーくそびえるスペインの文化の壁と戦っている者として思う次第です。

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