カタルーニャは独立できる?!スペインの議会制度のしくみ

カタルーニャは独立できる?!スペインの議会制度のしくみ

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日本では今週末は衆議院選挙が行われ、通常よりメディアも選挙や政治の話題に焦点が当てられているかと思います。
そしてここスペインでも10月1日に非公式で行われたカタルーニャの独立選挙以来、テレビ・新聞はこの話題で持ちきり(州首相が独立保留宣言をして以来は少し落ち着いていますが)です。

いままでスペインの政治にはあまり興味がなかったのですが、今回の独立騒動で興味を持たざるを得なくなり(渦中のど真ん中の街におりますので・・・)少し自分なりに調べてみました。

現在、カタルーニャ州政府が非公式な選挙の結果を持って、独立宣言をしようとしており現実的には独立派不可能ですが、独立とはいかずともカタルーニャ州の多数の州民が不満を持っている自治権に関しては拡大は可能なのか。そのためにはどのようなプロセスをとらなければならないのか…おそらく以下のような感じになるかと思います。

■ カタルーニャ独立問題のおそらく直接の原因であるフランコ政権下のファシズム

1932年にスペインの憲法のもとカタルーニャは自治州としての権限を持っていました。しかしながら1936年反ファシズム連合政権が誕生した年の7月にフランシスコ・フランコ・バアモンデ将軍が連合政権に犯らいをおこしスペイン内戦が始まりました。1939年反乱軍が勝利しフランコ政権が実権を握ります。フランコはそれまでの地方分権をくつがえし、バスク語やカタルーニャ語を徹底的に廃止しました。
1975年にフランコが亡くなった後後継者として現国王の父親にあたるファン・カルロス一世が国家元首に就任します。
フランコから指名を受けたにも関わらずファン カルロス国王はそれまでのフランコ体制を切り崩し、漸進的に民主主義体制に移行しようとしました。

■ 現在のスペインの議会制度

現在のスペインの議会は上院(日本の参議院)と下院(日本の衆議院)の二つに分かれています。
下院はより国民の民意が反映されているとされ憲法において上院よりも優位性が認められており、首相も実質的には下院の投票(絶対多数決)によって信任が決定されます。
ちなみに現ラホイ政権は2度の下院の選挙で多数決が得られず、3度目の選挙で対抗する政党が選挙権を棄権したためかろうじて多数決に
結びつき内閣を成立させることができたどちらかといえば基盤の弱い内閣ともいえます。

■ カタルーニャが独立に近づくためには?

10月1日行われた選挙は非公式であったため、法的な効力は全く持っていません。なのでおそらく今回の選挙の結果を持って実際に独立をするというのはほぼ不可能に近いかと思います。
ただ完全な独立とまではいかなくとも、州民の不満の原因となっているいる税制など(バスク州とナバラ州は独自の徴税権を認められていますがカタルーニャには認められていません)カタルーニャが自治権を拡大できるためには、まず中央政府との話し合いがもたれる必要があるかと思います。しかしながら現中央政権は全く歩み寄りの姿勢を見せず、強硬手段で独立を取り下げさせようとするのみです。両者の関係はかなり悪化してしまったため歩み寄りが見られる可能性はかなり少ないように思えます。

ただもし下院から内閣不信任案が提出され、内閣解散となった場合、首相の交代がありうるのでその場合は自治権の拡大の交渉ができる可能性はあるかも知れません。

いずれにしろこのままの状態が続くことはカタルーニャ州にとってもスペイン中央政府にとっても望ましいことではないので、一日も早く両者な納得することができる合意に至ることを、スペインで暮らすものとしては見守るのみです。

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