“正真正銘”のスペインバル”を見分ける方法

最近あまりバルセロナでみかけなくなった典型的な”バル”。
おしゃれなカフェやこぎれいなレストランは増えたのですがさみしい限りです。

そもそも”正真正銘のスペインバル”とはどんなものなのか、見分け方のポイントはこちらです・・・

1.テレビがなぜか音なしの状態でついている
テレビではニュースが流れているのに(字幕付きで!)なぜか全く違う音楽がながれてきて・・・画像と音が全く一致していません。
ただサッカーの試合のときだけは画面と音が一致します。

2.カウンター越しの壁に地元のサッカーチームの旗が飾られている

3.目立つ場所にハムが飾られている

4.なぜか音が響くような作りになっている。:
”にぎやか(うるさい?)であればあるほどよい”のがスペインバルらしく、壁は平らで、カフェマシーンの音、お皿の音、ウェイターの叫び声全てが壁に反射して2倍になるようになっているそうです。

5.ランチをたのむとかごに入ったパンがすぐに出てくる

6.新聞を比較するにはパーフェクトな場所。:
全国紙、地方紙、地域紙、スポーツ紙とさまざまな新聞が通常置かれています。

7.ビネガーがたっぷりかかったミックスサラダが出てくる。
ちなみにトマトはごく薄です。

8.特定のビールあるいは清涼飲料水メーカーの立て看板が立っている。

9.スロットマシーンと煙草の販売機がある;煙草はバル内ですうことはできませんが・・・

10.外看板に書かれた”Menu del dia(本日のランチ)”に必ずスペル間違いがある。:
スペル間違いがないならそれは”バル”ではなく”こじゃれた小料理屋”です。

11.観光地には英語に翻訳されたタパスの看板がかかっている: 
正確なさより”創造性”を追求した力作です。

12.メタル製の机と椅子がテラスに置かれている:
夏はメタルがやけどしそうになるほど暑くなることもあるのですが、それもテラス席の醍醐味のようです。

13.タパスと菓子パンが一緒にカウンターのガラス容器に並べられている:
トルティーヤ、サラダ、チュロ、クロワッサンと出せるものはおやつもおかずも一緒に並べておきます。

14.創造力にあふれたフレーズのかかれたポスターが飾ってあることがある。
それらしく書いてあるものの、よく読んでみるとあまり意味のないものがほとんどだったり・・・。

15. Plato combinadoが置いてある。:フライドポテト(あるいはお米)、目玉焼き、カツ(こちらではMilanesaとよばれています)、サラダが一つのお皿に盛りつけられたPlato combinado. Menu del dia(今日の定食)が気に入らなかったときのオプションです。

最近は減っていく一方ですが、かなり適当でツッコミどころ満載で愛嬌たっぷりの”スペインバル”。
数はすくなくなりつつあるものの、これからもずっと街のオアシスとして存在し続けてくれることを願います。^_-☆

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スペイン語の”太陽”を使った表現

金曜の午後にカタルーニャ州の独立宣言が行われ、どうなる事かと若干不安ではあったのですが、特に大きな変化はなく通常通りの日常です(ほっ)。正直なことを言えば、カタルーニャの独立より、”サマータイムの終了”のほうが懸念でしたが(もしや、時間を勘違いしてしまう講師がいるのではないかと思い・・・)特にトラブルもなくほっとしております。

サマータイムが終了になったことによって、1時間太陽が早く昇ることになります。これにちなんで”太陽”に関するスペイン語フレーズをまとめてみました。(若干こじつけです^^;)

■ hacer un sol de justicia.
気候に関する表現となりますが”Hace un sol de justicia”は”耐えがたい暑さ’を意味する表現です。
夏の暑さが特に厳しいセビリアやコルドバでよくつかわれる表現です。なぜ”Justicia(正義)”が登場するかといえば、かつて裁判で有罪判決を受けた囚人を罰する方法として真夏のかんかんでりの日に太陽のもとにさらしておくという方法が用いられていたことから来ているそうです。(少し残酷ではありますが・・・)

■ Ser un sol
この表現は気候とは全く関係なく一種のPiropo(褒め言葉)となります。”とても感じが良くてよい人”という意味です。なので
”Eres un sol!”といわれたら相手に対しての印象はよかったということになります^^

■ Trabajar de sol a sol
農業に従事する人たちの様子から生まれた表現です。農業をやっている人たちは日の出から日没までの長時間働くのが習慣です。まさに”Sol a Sol(太陽から太陽まで)”そのことから”Trabajar sol a sol”は”長い時間はたらく”という意味です。

■ Arrimarse al sol que más calienta
”Arrimarse”は”Acercarse(近づく)”と同意語です。”Arrimarse al sol que mas calienta”は選択肢があってどちらかを選ばなければいけないときに”(自分にとって)利益のおおいほうの味方になる”という意味です。
たとえばサッカーの試合などを見ているときにあまりまだサッカーがよくわからない小さな子供たちにどちらのチームが好きかを聞くと、子供たちは”Arrimarse al sol que más calienta”たいていの場合そのときに勝っているチームを選びます。

■ No dejar a sol ni sombra
この表現には肯定的な意味と否定的な意味の2種類あります。肯定的な意味は”いつもそばにいて応援してくれる””信頼できる友人になる。”
否定的な意味は”時間をとわずつきまとう”です。前後の会話によって肯定的な使い方をしているのか、否定的な意味で使われているのか判断し解釈する必要があります。

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スペイン人のステレオタイプ:その2

シャイ、用心深い、ケチで楽天家…スペイン人のステレオタイプとは?
でスペインのいくつかの地方の人たちの”ステレオタイプ”について解説をさせていただきましたが,今回は続きで前回紹登場しなかった地方の”ステレオタイプ”です。今回は若干”スペイン通”向けではありますが、参考になれば幸いです^^

■ Los asturianos
自然が美しいことで知られるアストウリアの人々は“愛国心が強く”サッカー場、選挙とどこにでも青い背景に黄色の十字架の描かれたアストゥリアスの旗を持っていくそうです。また”シードルの名産地”としてしられていることもあり、お酒をよく飲み、牛乳は”Leche de Asturias(スペインの有名な牛乳メーカー)”の牛乳しか飲まないそう(これはこじつけかも知れませんが・・・)。語尾に”diminutivos”
(”in””ito/a”などの小さいものに対しての親しみを込めた愛称)をつける人が多いので、この言い回しをよく使う人はおそらく”アストゥリア地方出身”です。

■ Los arragoneses
マドリッドとバルセロナの間に位置するアラゴン地方。サラゴザのピラールの塔が有名です。この地方の人は、バイタリティにあふれ話声がおおきく(カタランの人たちも十分に大きいと思うのですが…^^;)物事をはっきりといいうダイナミックな性格だそうです。

■ Los casellano-Leonenses
サラマンカやバイアドリッドの位置するマドリッドから北東側にある”カスティージャレオン州”。まずこの地方の人たちはスペインの中で”もっとも正しいスペイン語”を話すとの認識があるようです。また寛容でうわさ好きでオシャレ好きな州民性があるそうです。

■ Los canarios
スペインよりもアフリカに近いカナリア諸島。本土とはまた違った文化を持つ土地ですが、カナリア諸島の人たちの時間の感覚は本土のひとたちよりさらにゆっくり、ゆっくりではなく”細部まで気を使っている”そうで^^;あるくときは建物を観察しながら、ご飯を食べるときは食べ物を詳細に味わいながら・・だそうです。また、もともと南米からの移民が多い土地で本土から離れていることもあり、カナリア出身の人たちはコロンビアとべネスエラ、キューバの3つを混ぜたような独特のアクセントで話します。

■ Los Navarros
牛追い祭り、サンフェルミンで有名なパンプローナのあるナバラの人たちは、”雑で乱暴”いいかえると”力ずよい力持ち”だというイメージ
を持たれているようです。また、サンフェルミンのおかげか”スペインで一番楽しいお祭りの開催の仕方をしっている人たち”とよいイメージ!?も。

個性豊か、でもどことなくやっぱりスペインらしい”州民性”。残りの州についてはまた別の記事で紹介させていただきます!

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スペイン人と友達になる前に知っておくと役に立つ8つのポイント

今回のカタルーニャの独立騒動で、スペインはひとつの国といえどもかなり”自己主張の強い”自治州の集まり
とお気づきになられた方も多いかも知れません。
(ほんの少し前まではバスクの独立を要求するテロ集団”ETA”がスペイン各地で無差別テロを行っていました)

以前

シャイ、用心深い、ケチで楽天家…スペイン人のステレオタイプとは?

でも少し触れさせていただきましたが、一言で”スペイン人”といっても州ごとで人柄に”傾向”はあるようです。またマドリッドとバルセロナのように州同士”対抗意識”で対抗意識をもやしている人がいる場合もあり、単純に”スペイン人”とひとくくりにして地雷を踏んでしまいかねないこともあるので若干注意が必要です。

スペイン人とのコミュニケーションをお互いストレスなくスムーズにするために知っておくと役に立つ8つのポイント、
参考にしてみてください。

1.スペイン共通の料理は”Tortilla de patata(トルティーヤ デ パタタ)”のみ。
各州によって名物料理があり、バルのメニューもバルセロナのものとアンダルシアのものではかなり違います。
そもそもパエリアは”バレンシア地方の料理”、シーフードパエリアはバレンシア料理を、魚介類の豊富にとれる他の地区がアレンジしたものです。唯一スペイン全国共通なのが”トルティーヤデパタタ(スパニッシュオムレツ)”。この料理が嫌いなスペイン人はいないといわれているほどだそうです。

2.”有給休暇がとれない”というと”何のために仕事をしているの?”と聞かれるかもしれない
スペインの会社では通常一年に一カ月ほどの有給休暇があり、みんな必ず”一日も残さず”きっちりとります。有給休暇を取るのに特に上司や同僚の顔色をうかがう必要はないです。(余ほど重要なプロジェクトの最中でない限り)”日本では一週間の有給休暇すらとりにくい”というのは彼らにとってはありえないようです。一カ月の長期休暇のためだけに仕事をしているような人も少なくないです(笑)
ちなみに病欠なども、有給休暇とは別で2日までは医師の診断書なしで通常とることができます。

4.”時間や約束を守れない”のは悪気があるわけではない
約束を間際になってドタキャンされたり、約束の時間に遅れてくるのはスペイン人”あるある”です。ただ決して彼らは悪気があってやっているのではなく、どうもたんに”約束”自体が彼らにとって、”絶対守らなくてはいけないもの”というより私たちが考えているよりも”もっと融通のきくもの”のようです。なので、忘れられていることはしょっちゅうですし、それは別に個人的な感情があってのことではないです。

5.闘牛好きで、セビジャーナスを踊れて、出かけるのが好きとは限らない。
”明るくて情熱的”なイメージがあるスペイン人ですが、結構“物静かで寡黙”な人もいますし(とくにカタルーニャ地方の人は落ち着いていて静かな人が多い傾向があると思います。)また闘牛はスペインの一部の地区では動物愛護の為に禁止されています。

6.”国籍”の話題は若干複雑なので避けたほうがよい
今回の独立騒動からも見て取れるように、カタルーニャには自分たちを”スペイン人”というよりは”カタラン人”と思っている人が多くいますし、以前独立運動が盛んだったバスクもしかりです。”国籍”に対する考え方は州ごとによってかなり異なり、中には”強いこだわり”がある人もいるのでできれば(とくに知り合ったばかりの人との会話では)避けた方がよい話題かも知れません。

7.家族との関係をとても大切にしている
30歳を過ぎても一人立ちせず両親と暮らしていたり、毎週末大家族で集まって食事をしたり、離れていると毎日親に電話したりと、日本人からすると”親離れ”していないようにも見えるのですが、逆にスペイン人に”一カ月に一回しか親に電話しない”とか”一年に一回しか帰省しない”というと”冷たい人”と思われてしまうこともあるようです。

3.日本人が”健康に良いこと”と思っていることはスペイン人にはあてはまらない
スペインの食事の時間は日本より1-2時間ずれており、特に遅いのが夕食で通常9時から10時です。(多くのレストランは20時半から開店します。)なので寝る時間も遅く、結構早起き。(日本と同様会社は通常9時に始業します。)かつ朝ごはんは抜くかコーヒーと砂糖たっぷりのドーナツや、クロワッサンと一見まったく健康によくない生活習慣なのですが、スペインは日本に次ぐ長寿国です。

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Bailamos? ラテンダンスは最強のスペイン語習得法!?

スペイン語も含め語学習得にはまず”継続”が第一の条件となってきますし、また語学そのものよりも”継続”自体が一番克服が難しかったりします。(スペイン語は英語と違って”義務教育の一環”ではなくまた”仕事でどうしても必要”というケースもあまりないかと思うのでのでなかなか後回しになってしまいがちです・・)

継続のモチベーションを維持するためのコツの一つとしては”楽しみながらできる学習方法を見つける”。”やるのが楽しくて仕方ない!という方法を見つけられたら”スペイン語習得”のスピートが加速します^^

おそらくその一つが”ダンスを通じてスペイン語を覚える”。

実は私自身、スペイン語を学び始めたきっかけは”ラテンダンスにはまった”から。主にストレス発散のため(苦笑)ラテンダンスにはまりそのおかげで暇さえあればスペイン語のラテン音楽ばかり聞いていたので、意味はわからなくてもスペイン語で歌を歌えるようになっていました。(←聞きすぎです^^;)

■ ”ダンスの語学学習への効果は科学的にも証明されている!?

先日

語学習得には「体を動かす」のが正解だった

という記事を目にして、”スペイン語も知らないのにスペイン語の歌を覚えてしまった”のも少し納得?!知らず知らずのうちに”効果的な方法”でスペイン語を学んでいたようです(笑)

というのは記事によれば

オンライン学術誌「プロスワン」で発表された最新の研究論文によれば、外国語の授業の最中に運動を行うと新しい単語を覚えたり意味を理解する力が高まるという。「頭に働きかけたいなら体を動かすといい」という考えを裏付ける新たな証拠が加わったわけだ。

また、英語を学んでいる中国人の学生に対して行われた実験でひとつのグループには従来通り、じっと座って単語を覚えてもらい、もうひとつのグループにはエクササイズバイクで運動をしながら単語を覚えてもらったそうです。
エクササイズバイクにのって単語を覚えた学生グループのほうが試験の結果がよかったのみならず、

最も興味深い点は、習得した語彙であれ単語の意味の理解であれ、バイクをこいだグループのほうが「長持ち」したということだ。授業終了から1カ月後に行った再テストでも、バイクこぎグループのほうが単語を多く覚えていて、文章で使われたときの理解も正確だった。

運動をしながら学習した内容は、その記憶も“より長く持続した”という結果がでています。
”踊りながら”だったからこそまったく知らないスペイン語の曲も何度か聞いているうちにまる覚えできたのかも知れません。
”ダンス”の効果は意外と侮れない!?

暗記に効果あるなしに関係なくスペイン語の曲を使ったダンスは楽しい(はまってしまうものが多い^^)ですし、スペイン語を学んでいくうえでモチベーションをアゲてくれるきっかけになることは間違いなしなのでぜひチャレンジしていただきたいです。(おまけにダンスは結構いいストレス発散にもなるので、一石二鳥です!)

■ スペイン語を学びながらできるダンス
意外と種類が多い”スペイン語の曲”をつかったダンス。
それぞれのダンスの特徴も難易度もかなり違いますし、曲の雰囲気も違うので(フラメンコとメレンゲなんかは全く雰囲気が真逆です・・・)お好みにあうものもあるのではないかと思います。

-フラメンコ:”スペインの次に習っている人が多い”日本、人気の高いフラメンコ。スペインにどっぷりつかることができるダンスです。

-サルサ/バチャータ/メレンゲ:コロンビアやドミニカ共和国をはじめとして南米で人気のあるダンスで、リズム感がよくフラメンコとは対照的な明るい雰囲気の曲が多いです。

-タンゴ:独特の世界観をもったタンゴ。一旦魅了されるとどっぷりはまってしまいそうです。スペイン語はアルゼンチンなまりではありますが、ダンスによる学習効果はもちろん期待できます!

-ズンバ いろいろなラテンダンスの要素をとりいれたエアロビクス。かかるのも大体の場合ノリノリのラテンポップス。最近は
日本のジムでもレギュラープログラムに組み入れられているところが結構あるようです。

ラテン系ののりのよさゆえ?かスペイン語の曲を使ったダンスは他の言語に比べると多いと思います。
恋愛をテーマにした曲が多いので、どの曲も結登場するフレーズが似ていているので、聞いているだけで覚えられるものも結構あるかと思います。(実際に日常生活で役に立つフレーズかどうかは???ですが)

記憶力に効果ありの”運動しながら学習”スペイン語学習者向けにラテンのリズムの”動詞活用の曲”なんかを誰かが作ってくれると、とても助かったりするのですが(笑)

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カタルーニャは独立できる?!スペインの議会制度のしくみ

日本では今週末は衆議院選挙が行われ、通常よりメディアも選挙や政治の話題に焦点が当てられているかと思います。
そしてここスペインでも10月1日に非公式で行われたカタルーニャの独立選挙以来、テレビ・新聞はこの話題で持ちきり(州首相が独立保留宣言をして以来は少し落ち着いていますが)です。

いままでスペインの政治にはあまり興味がなかったのですが、今回の独立騒動で興味を持たざるを得なくなり(渦中のど真ん中の街におりますので・・・)少し自分なりに調べてみました。

現在、カタルーニャ州政府が非公式な選挙の結果を持って、独立宣言をしようとしており現実的には独立派不可能ですが、独立とはいかずともカタルーニャ州の多数の州民が不満を持っている自治権に関しては拡大は可能なのか。そのためにはどのようなプロセスをとらなければならないのか…おそらく以下のような感じになるかと思います。

■ カタルーニャ独立問題のおそらく直接の原因であるフランコ政権下のファシズム

1932年にスペインの憲法のもとカタルーニャは自治州としての権限を持っていました。しかしながら1936年反ファシズム連合政権が誕生した年の7月にフランシスコ・フランコ・バアモンデ将軍が連合政権に犯らいをおこしスペイン内戦が始まりました。1939年反乱軍が勝利しフランコ政権が実権を握ります。フランコはそれまでの地方分権をくつがえし、バスク語やカタルーニャ語を徹底的に廃止しました。
1975年にフランコが亡くなった後後継者として現国王の父親にあたるファン・カルロス一世が国家元首に就任します。
フランコから指名を受けたにも関わらずファン カルロス国王はそれまでのフランコ体制を切り崩し、漸進的に民主主義体制に移行しようとしました。

■ 現在のスペインの議会制度

現在のスペインの議会は上院(日本の参議院)と下院(日本の衆議院)の二つに分かれています。
下院はより国民の民意が反映されているとされ憲法において上院よりも優位性が認められており、首相も実質的には下院の投票(絶対多数決)によって信任が決定されます。
ちなみに現ラホイ政権は2度の下院の選挙で多数決が得られず、3度目の選挙で対抗する政党が選挙権を棄権したためかろうじて多数決に
結びつき内閣を成立させることができたどちらかといえば基盤の弱い内閣ともいえます。

■ カタルーニャが独立に近づくためには?

10月1日行われた選挙は非公式であったため、法的な効力は全く持っていません。なのでおそらく今回の選挙の結果を持って実際に独立をするというのはほぼ不可能に近いかと思います。
ただ完全な独立とまではいかなくとも、州民の不満の原因となっているいる税制など(バスク州とナバラ州は独自の徴税権を認められていますがカタルーニャには認められていません)カタルーニャが自治権を拡大できるためには、まず中央政府との話し合いがもたれる必要があるかと思います。しかしながら現中央政権は全く歩み寄りの姿勢を見せず、強硬手段で独立を取り下げさせようとするのみです。両者の関係はかなり悪化してしまったため歩み寄りが見られる可能性はかなり少ないように思えます。

ただもし下院から内閣不信任案が提出され、内閣解散となった場合、首相の交代がありうるのでその場合は自治権の拡大の交渉ができる可能性はあるかも知れません。

いずれにしろこのままの状態が続くことはカタルーニャ州にとってもスペイン中央政府にとっても望ましいことではないので、一日も早く両者な納得することができる合意に至ることを、スペインで暮らすものとしては見守るのみです。

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スペインとカタルーニャの成り立ちをおさらい”読書リスト”

連日スペインのニュースはこの話題ばかり、でバルセロナも毎日のようにどこかしらでデモがありそのたびに公共の交通がパンク状態でいつまで続くのやら・・・とバルセロナで暮らしながら事態の本質をよくわかっていないのでそんな風に思わずにいられませんでした。

が、実際はスペイン内戦を経てフランコ政権が終了してから、まだたったの40年しかたっていないのです。多くの街の人々は弾圧政治を経験し、彼らによって当時の記憶が引き継がれています。バルセロナで暮らしながら今回の独立騒動がきっかけでこの問題に関してあまりに知識がないことに気づきあわてて書籍を探してみました。これからじっくり読んでみる予定です。
スペインの歴史、市民戦争に関する書籍の数は限られておりなかなか探すのに苦労しましたが
もし興味をもたれた方は、”スペインとカタルーニャの独立問題をより理解するための読書リスト”どうぞご参考下さい!


■ カタルーニャの歴史的背景を紐解く


物語 カタルーニャの歴史―知られざる地中海帝国の興亡 (中公新書)

カタルーニャの歴史がまとめられた本で、中心はスペイン統一までの中世カタルーニャ史です。
歴史学者ではなく”カタルーニャ文学・言語”の専門家によって書かれたものなので、わかりやすくカタルーニャの文化的アイデンティティの源を理解するてがかりとなってくれる一冊です。

バルセロナ 地中海都市の歴史と文化 (中公新書)

こちらは”バルセロナ”に焦点を当てた一冊です。さまざまな歴史の出来事を経てこの街ができ上った過程が描かれています。
訪れたことがある方やこれから訪れる予定のある方にとって特に興味深い一冊です。

■ スペインの歴史を俯瞰的に理解する

物語 スペインの歴史 海洋帝国の黄金時代

スペイン内戦以前のスペイン史に関する書ですが、この国の成り立ちと、各州の独立志向の強さ(いがみあいの原因?!)を理解するのに役立ちそうな一冊です。
スペイン文学者による著書なのでスペインに興味がある方は楽しめる一冊となっています。

概説 近代スペイン文化史:18世紀から現代まで

18世紀から現代スペインの文化の歴史そしてその背景要素として政治や社会的事象が説明されているので、政治・経済の話は難しそう…と思われる方でも比較的理解しやすい一冊のようです。


■ 名作を通じてスペイン市民戦争を理解する

誰がために鐘は鳴る〈上〉(下)

世界的に名だたる俳優をキャストに映画化もされた文豪ヘミングウェイの代表作。物語自体はフィクションですが、舞台はスペイン内戦。
物語を読み進めていくうちに時代背景への理解も深まります。

■ 上級者向け:スペイン語でスペインの歴史をたどってみる

Historia mínima de España

スペインの著名な歴史学者の一人であるJuan Pablo Fusiによって”たった300ページ”にまとめられたスペインの歴史。
”歴史とは決められたものではなく、(その解釈)は他のものにもなりうる”という筆者考えに基づき、スペインの歴史を”知り””考え””学ぶ”為の一冊。
辞書を片手にボキャブラリー増強もかねてゆっくりと”スペインの歴史”を読みこんでみてください。

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スペイン語の“ほめ言葉”4選

以前、スペイン語を話すと幸せになる!?

の記事でも紹介をさせていただきましたが、もともとスペイン語はポジティブな意味の単語の使用頻度がが他の言語に比べて多い言葉であるとの調査結果が出ているそう。

なので”ほめる・称賛する”ための表現はたくさん存在しますが、その中でも使用頻度の高いものを4つ(あまり数が多いと一度に覚えられなくなってしまいますので^^いっきに4つ覚えてしまってください!)紹介させていただきますね。

■ Ser la leche/Ser la caña
“Ser la leche””Ser la caña”はほぼ全く同意義で使われる口語表現で、単になにかが素晴らしい時、やあるいは”最高!”というほめ言葉のときに使用します. “Es la leche!”(“Es la caña”)”この二つの表現は口語表現ではありますが、とく礼儀を欠くような響きはないので
どんどん使っても問題ないです。(同じ事をいみするものに”Es la hostia”がありますが、この表現は人によっては”デリカシーにかける”と取られることがあるので、使わない方が無難かと思います。)

■ Pasarlo bomba
”Disfurtar””Pasar bien”と同意義の表現で”楽しい時間を過ごす”という意味です。Bombaは”爆弾”という意味でスマートな表現ではありませんが温かみのある楽しさが伝わる口語表現で日常会話でよくつかわれています。特に子供たちが遊んでいるときに使われる表現です。
”Pasarlo pipa”も同意義のです。

■ Al mal tiempo buena cara
スペインでもっとも使われることわざでもあるこの表現。”Mal tiempo”は直訳では悪い天気、雨や雪や嵐を意味しますが悲しい時や落ち込んだ時、困難に立ち向かっているとき(Malos momentos)を隠喩する言葉でもあります。ただそんな時でも”Buena cara”微笑みを絶やさずに元気を出して問題に立ち向かっていこうという表現です。誰かを元気づけるときに使える言い回しですね。”大変なときにこそ笑顔を!”
数年前のスペインの経済危機の際にスペイン人の楽観的な態度が一部話題になりましたが、このことわざから来ているものかも知れません。

■ Arrimar el hombro
”Arrimar”は近づく”という意味の動詞で”Arrimar el hombro”は直訳すると”肩を近づける”という意味で”助ける、支える”という意味の表現です。家族や友達が困難な状況や問題に直面しているとき”arrimamos el hombro para ayudarlo.”(彼を助けるために支える)のように使います。

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カタルーニャの独立騒動、スペイン現地の実際の反応は?

日本でも連日ニュースになっているスペインの”カタルーニャ独立問題”。
一見大混乱をきたしているように受け取られがちですが、実際はそうでもないというのが個人的な印象です。
(ちなみに私自身は賛成派でも反対派でもなく”ちゃんと説明してほしい派”です。十分な説明もなく感情論で政治的な決断が行われていることに対しては疑問を感じます。選挙に関しても、-なぜか普段は選挙権がないのに独立選挙のときは選挙権が与えられますー判断材料が乏しすぎて参加していません)

ちなみに、独立選挙が行われるのは今回が初めてではありません。(こんなに大騒ぎになるのは初めてですが・・・^^;)
これまでに非公式2回、独立選挙と同意義を持つ州議会選挙が一回行われています。

1回目 2014年(非公式);独立を支持が80パーセントといわれましたが、投票率がほぼ30%にも満たず、投票率の低さからもそれほど重要視されることはありませんでした。

2回目 2015年:公式の州議会選挙。法律上、独立を問う合法的な選挙ができないことから当時のマス州首相がカタルーニャ独立の賛否を問う代替投票となる選挙であると位置付け、州民にとっても注目度の高い選挙となりました。投票率は75%。独立派の政党は議会では過半数を獲得したものの、総合的な数字では独立反対派の政党は賛成派を上回りました。(独立賛成派47.7% 独立反対派50.6%)

3回目 2017年;再び非公式の独立選挙が行われました。今回の投票率は42% 賛成票は90%とされています。しかしながら選挙時のIDチェックはなく同一人物が何度も投票することが可能であったため、数字の正確さに関しては疑問がもたれています。
今回は2014年のときとことなり中央政府からの強制介入が行われ、その様子が国内のみならず国外にも伝わり国際的な問題に発展しつつあります。

■ 実際の選挙の様子

今回中央政府が送り込んだ警察が力ずくで選挙妨害を行い、そのニュースが世界中に流れたため、独立選挙が州を挙げての暴動のように認識された感がありますが(実際、日本にいる家族や知人から安否の連絡がありました)。
実際のところ、警察による過激な介入がおこなわれた投票場所は一部かと思います。ちなみに、私自身の居住地区にある投票所では普通にたんたんと行列に並んだ人たちが投票をおこなっていましたし、投票を行った知り合いたちからも介入を直接目にしたという報告は一人も受けていません。

■ ”独立”に関する3つの見解と各メディアの位置づけ

独立に関しては”反対派””賛成派”のほかに”静観派”の3つの立場があるように思います。投票率は2014年よりよかったものの過半数のカタルーニャ州民は投票に参加していません。(正直なところ、あの投票所のながーい行列をみるとよっぽど”独立支持”でないとわざわざ投票にいかないかも・・・とも思います。)

各メディアの意見

マスメディアも”独立賛成派””独立反対派”に分かれており、同じ独立選挙を扱う記事でも見方が180度変わります。

やや反対派
El periodico
5.000 personas marchan contra el referéndum del 1-O de Barcelona
”5000人の人たちがバルセロナで1-0の独立反対のためにデモを行った”

新聞の取り上げるほどでもないかなり小規模なデモだったのですがやはり”やや独立反対”のスタンスであることがうかがわれます。

El Pais
10 AFIRMACIONES QUE SUSTENTAN EL SOBERANISMO CATALÁN Y NO SON VERDAD

カタルーニャの独立を支持する10の言い分そしてそれらは真実ではない

独立賛成派が掲げている”独立すべき理由”は事実ではないとし、説明している記事。こちらもはっきり”反対”とは言わず遠まわしに”やめておいたほうがいい”と言っている感じです。

対してこちらは明らかな反対派
ABC
La mayoría de los catalanes no quiere la independencia
”カタラン人の多数は独立を望んていない”

こちらは明らかな賛成派

La Vanguardia
Más de 2,2 millones votan en el referéndum con una victoria del sí por el 90%

220万人の人たちが独立運動に投票し、賛成派が90%で勝利を収めた

そして”いい加減にしてほしい派”

La Cataluña que no votó: “Soy catalán y no voté porque no creía en el referéndum”
投票しなかったカタルーニャ”私はカタルーニャ人だけれども投票しなかったなぜなら独立選挙を信用しなかったから”

Sociedad Civil Catalana pide que “la mayoría silenciosa” diga “basta ya”
市民団体である”Sociedad Civil Catalana”は”サイレントマジョリティ”に”いい加減にしてくれ”と声を上げるように請う。

実際のところ約半数の有権者が選挙に参加しなかったので確かに一理あるかと。

それぞれのスタンスによって今回の騒動の違った面がクローズアップされていますが、
州で暮らす一住民としては、できるだけ早く中央政府と何らかの形で合意に至ることを祈るばかりです…

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スペイン語レッスンの効果的な受け方:初心者編

受講生の方それぞれ、スペイン語学習に費やす事ができる時間は異なると思います。
何度も繰り返しますが(しつこいといわれても^^;)特に学習を始めたばかりのころは最低一日30分はスペイン語に費やす時間を確保していただきたいと思います。”ラジオでスペイン語”でもスペイン語アプリでも、(ゲーム感覚でできるスペイン語アプリ”Duolingo”は何度かこのブログでも紹介させていただきました)”テレビでスペイン語”を録画して何度も見る、でもいいです。

義務教育である程度知識を得ている英語とは異なり、ほとんどの人にとってスペイン語は全く未知の言語なのでまずは”スペイン語”になじむために時間を割くことが必要です。
まったくの初心者で一週間に一度しかレッスンをうけることができずその時間しかスペイン語の学習に費やすことができないと、レッスンで学んだことを次のレッスン時には完全に忘れているので学習の蓄積がなされず上達がなかなか感じられない⇒モチベーションの維持が続かないという状況になってしまいがちです。

■スペイン語上達のスピードのカギを握る”テキスト”

また全く初心者のかたはまずはレッスンで一通りの文法を学習する必要があります。
当レッスンでは初心者の方向けには

-Avanzamos A1
日本で出版されている数少ない”スペイン語をスペイン語のみで学ぶテキスト”で日本語のが母国語である受講生の学習事情を考慮して作られています。多くの大学でもスペイン語のカリキュラム用に使用されているテキストです。

-Ele Actual A1
セルバンテスセンターでも使用されているテキストでヨーロッパ共通語学力評価基準(MARCO COMÚN EUROPEO DE REFERENCIA. PARA LAS LENGUAS)に基づいて内容が構成されています。そのためDELEやその他の国際検定対策用としても使用できます。

サービスによっては独自のテキストを使用しているところもあるようですが(確かにそのほうがテキスト代はかかりませんが)、当レッスンでは受講生の方にはできる限り効率よくスペイン語をみにつけていただくことを第一に考えています。そのため”経験豊富なトップレベルのスペイン語の専門家”によって作られ、また信頼のおける語学学校で使用された実績のあるテキストに添ってレッスンを行うのが最適だと判断した次第です。(これは初心者のみならず他のレベルのためのテキスト選びに関しても同様で、講師たちに相談しつつ熟考に熟考を重ねテキストを選定しています。)

テキスト代は語学を習得するための投資ですし、テキスト代を”もったいない”と思うようであれば”本当にその言語を身につけたいのかどうか?”をまず問うべきです。私自身は自分がスペイン語レッスンを受けていた時は”スペイン語を習得したい”しか頭になかったので、テキストは何冊購入したか数えきれません…(レベルが重なるものもいくつかあります)

■ 効率の良いスペイン語レッスンの受け方とは
1まず予習;”予習”といってもそんなに大げさなことではなく、最低限知らない単語の意味を調べるだけで最初は十分です。
初心者レベルですとまず難易度の高い単語はないですし、同じ単語が繰り返されることも多いので、電子辞書やグーグル翻訳などをつかえば10分から15分もあれば十分できます。
(あまり気負い過ぎると息切れしてしまいますし)

たとえばELE actual A1の第一課のページ
”Hola””Buenos dias” “Buenas tardes”と基本的な単語がなんどもでてきていますし、その他は各問題のインストラクション”Escucha y
lee (聞いて読んでみてください)なので一回しらべておくと、残りの章も同じインストラクションが使用されています。
↓ こんな感じで同じ単語が何度もでてきます。
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2:自分で付属のCdを使ってできるところはやっておく
ヘッドフォンマークのついている”Escucha y Repite(聞いて繰り返して)”は発音の練習で付属のCDに音源があるので、独学で発音の確認と練習ができます。その部分を先に自分でやっておくと、レッスンのときに講師との実践により時間をかけることができます。

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3.レッスンが終わった直後に学んだことをざっと復習する。
レッスンで学んだ事の記憶を強化するために”Recuerda(覚えておこう)”のページ、とレッスン中にとったメモやチャットにざっと目を通して軽く復習をしてください。
ELE Actualシリーズでは各課の最後にあるこのまとめページはかなり簡潔に抑えるべき学習のポイントがまとめられているのでとても便利です。

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そしてもし次の日余力があれば丁寧に復習、そして次回のレッスンに備えて予習・・で万全です。
余力がなければ(笑)まずはレッスンの前後10分から15分、以上の方法を試してみてください。(もしかしたらもうすでにやってらっしゃるかたもいらっしゃるかもしれませんが・・・もしやっていらっしゃらない場合は)上達のスピードアップに効果あり、です^_-☆

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